ぞうごの会

ステップアップを目指す勉強会・懇親会@上海

論語(ぞうごの会39)

 「挑戦的なテーマですね。」と出席者の方が言いました。「はっはっは」と、誤摩化し笑いをする私がいます。中国に来て10年、中国の古典については、論語と孫氏の兵法を良く耳にしました。常々気にはしていたが、敢えて踏み込む事もせずに来てしまったのです。

 

 今回のぞうごの会では、そこに足を突っ込んで見ることにしました。どうぞ、お月会下さい^ ^

 

   タイトル     概要                 講師  

  「論語」      論語の成り立ちや概要について ・・・ 佐藤

  「論語とコーチング」ビジネスでの役立て方について ・・・ 藤丸 

 

 

 論語」 ・・・ 佐藤

 

 「子曰く」で始まる「論語」は、孔子と弟子達の問答を、孔子の死後弟子達が編纂したもの。儒教の教典とも言える四書の一つです。(弟子にる編纂、儒教四書のうちの一つ、こういった事は勉強しないと分かりませんね- - ;)

 

 孔子が生きたBC5世紀は、戦国の世の中。周王朝が滅び、諸侯が覇権を狙って争う時代。孔子は、戦国時代終焉を悲願し、理想の国造りとして周王朝を憶った。自身の質問「どうすれば社会は良くなるのか?」、「それを実践出来る指導者とは?」それに対する孔子の回答が、中国古代からの価値観の一つである「徳」を重んじることだった。要するに「徳」の成立が、戦国時代を終わらせ、社会を平穏に導くことに繋がると考えた。問答式にはなっている「論語」も、そのバックグラウンドには、「徳」を成立させる為の思想が体系造られているわけだ。

 

 孔子が後世に影響を及ぼした理由には、大きく二つある。元々、仕官することを夢見ていた孔子だったが、紆余曲折もあり、歳を取るにつれ弟子を育てる事に傾倒していくことになる。弟子の数、3000名。仕官するのではなく、自分と同じ思想を持つ弟子を増やす。このスタイルは、以降に現れる思想家を大量に作り出す事になる(諸子百家)。もう一つが、平民にまで「思想」というものを伝えた事。中国には、孔子以前にも多くの「思想」があった。これは貴族の為だけにあるもの。単純に「世の中はこう収まるべき」の対象は、君子だけでなく、それに使える者、その最底辺が平民も含まれることになる。弟子の大量製造や、問答式というのも、そこに理由があるのかもしれない。

 

 論語は紀元前の思想。2500年も前の考え方を、なぜ今学ぶ必要があるのか?その理由を3つほど、私なりに考えてみた。

 

 1)古典は英知

 2)戦国時代

 3)アジアの思想

 

 1)確かに2500年前と思うと、そんな古いと感じてしまう。しかし、2500年前の時点で、人間は何年生きていたことになるだろうか?ホモサピエンスが地球上に発生したのは、3万年前。孔子の時代までに約2万7500年ある。この間人間として、それこそ紆余曲折、七転八倒、色々なことがあったと思う。それが、思想体系となり、かつ記録として残せる形に成就した。そう考えたらどうだろうか?2万7500年の英知が詰まっていると言えないだろうか?2500年なんか、吹き飛んでしまうくらいの英知だ。この頃は、人類として一つの過渡期を迎え、大きく進歩したのではなかろうか?大枠では同年代と捉えられる、釈迦やキリスト、ムハンマドなどもいる。ただ一個人である私を凌駕しているのは当然と言えば当然で学べる事は多い。現代人が進歩していて、昔の人は進歩していないと言う考え方は、非常に危険。「論語」には役に立つ英知が詰まっていると、考えるのは、まったく理にかなっている。

 

 2)戦国時代とは、どんな世の中だろう?まず一つの支配体制が崩壊し、次の覇権を握る為に、多くの諸侯が乱立し争う。当然、今までの価値観も崩壊し、何を頼って良いかが分からなくなり迷走する。最近の世情に似ていないだろうか?身の回りでのドンパチは確かにない(ちょっと最近キナ臭いけれど、、、)。金銭中心、西洋中心の価値観は無くなってきた。先進国は迷走し、途上国が大きな発展を遂げている。ドカンはないけれど、戦国の初期とも考えられる時代に突入している。それも、グローバル規模で。「論語」は、戦国時代をやりくりする為に生まれた思想。現代にとてもマッチしている。

 

 3)中国、韓国、北朝鮮、台湾、ベトナム、そして日本。書き出してみると、パチパチと火花が見えそうだ。でもこれ、全て儒教圏。似た者同士は、いがみ合うとも言うけれど、同じ言葉も持っている。切り口はあると思う。私たちが「論語」を学ぶ事で、何か見つけるとは出来ないだろうか?理由2を含めて考えると、何か新しい思想が必要な今は、論語にヒントを見つけられるように思う。

 

 「論語」を学ぶ方法は?

 まずは、読む事。と言う事で、幾つか書籍を紹介して終わりにする。

  • 超訳論語」         安冨歩(著)  ディスカヴァートゥエンティワン
  • 論語」           金谷治(訳)  岩波文庫
  • 「現代語訳 論語と算盤」   渋沢栄一(著) ちくま新書
  • 「店はお客さまのためにある」 倉元長治(著) 商業界

 

以上

 

 大学時代の選考が「政治科学」だったせいか、どうしても話しが固くなってしまいますね。勉強会後半の藤丸さんのよる「論語とコーチング」は、もう少しビジネスよりで、実践的なお話しです^^

 

 論語とコーチング」・・・藤丸

 

 藤丸さんが購読されているメルマガの中に書かれていた一説です。2人の企画担当がいます。片方の企画は、非常に大きく盛り上がり、もう一人の企画は出席者数も集まらず盛り上がらず終わる。この差を作った要因は?以下、メルマガ抜粋です。

 

 その人にたくさんあって、私に全くなかったものは「相談回数」でした。 その人は企画を立ち上げる前に、とにかく周りの人に相談しまくるわけです。 いろんな人に揉まれるので、当初とがっていたアイデアが丸くなってしまう こともありますが、見落としていた穴がどんどんふさがれていきます。 そして、企画が提示された時点で、すでに多くの人が関わっていました。 一方で私は、「これをやろうよ!」と企画を提示する直前までは、 私しか知らない状態でした。 

 

  経営者やアスリートなど、 どんな人でも「相談相手がいる」ということです。 トップアスリートには、必ずコーチがついています。人に相談すると、痛いところを突かれたり、面倒くさいことを言われたりすることもあります。自分の殻にこもっていると、上のメルマガの様なことになります。経営でそれをやってしまうと命取り。だからこそ、都度〃〃相談して、方向確認や修正を一緒に出来るコーチが必要だと痛感しています。

 

 論語には、こうあります。

 「君子は本を務む。本立ちて道生ず。孝弟なる者、其れ仁を為すの本か。」これを、意訳すると「お父さんお母さん、師の言うことをよくきき、何事にも一所懸命に取り組もう。」になるそうです。大分な意訳ですが^^。

 

 論語で言われている「本」、意訳で使われている「父母師」を「相談者」と置き換えてみてはどうでしょうか?ただ単に言われたことを右習えではないでしょう。聞き、吟味し、導き出した答えを実直に行う。「本立ちて道生ず」です。

 

 

 論語には、こうあります。

 「過(あやま)ちて改めざる、これを過ちと謂(い)う。」これを意訳すれば、「過ちを認めない事が本当の過ちだ」と言うことでしょう。間違いと言うのは、中々認めたくないものです。そもそも、間違っているということ自体が見えにくい。「相談者」に見てもらい、第3者としての意見を聞く。

 

 実は今、経営再建に取り組んでいるただ中です。独りでは出来ないと悟り、アドバイザーを頼みました。本当に耳の痛い話しです^^ ; 例えば、、、

 ・5S活動に取り組むと言っている僕自身が動いていない事を指摘されました。

 ・事務所をウロウロし、成果を出していないのは僕自身だと指摘されました。

 僕自身では気付かない事が多く有り、今やっと具体的な再建計画を実施出来ています。今は朝礼後に率先してほうきを握ってますよ^ ^

 

 コーチングは、アメリカから入って来て、いま正に日本で広がろうとしています。アスリートや経営者だけでなく、普通の人もコーチが必要だとなってきました。たぶん、指針がないからだと思います。

 

 先に紹介させて頂いたように「論語」には、知恵が詰まっています。「相談者」を作る事は、とても大切です。とは言え、直ぐに見つからない場合もあります。そんなときは、「論語」に目を通してみるのも如何かと思いました。

 


 最後に...f:id:zaowu:20130217200022j:plain

 渋沢栄一は終生『論語』を手放さず。「論語で事業を経営してみせる」とまで言った(朝日新聞「天声人語」)「経営するなら論語を読んだ方がいい。論語がどんなマニュアルにも勝ると言った経営者がいた。」

 なるほど、社長でなくとも論語は人生の指針となるものばかり。成功する経営者、アスリートには論語の精神と相通ずるものがあるのだとしみじみ思いました。表紙には人生の算盤(そろばん)は、孔子に学べ。う~ん、どんなコーチングも太刀打ちできません。もし、論語を学んでいるコーチがいれば、鬼に金棒ですね^ ^//

 

以上

 

 

 さて、今回のぞうごの会ダイジェストは、如何だったでしょうか!?

 

 

 

 

自分を見つめ直す(ぞうごの会38)

 2013年初めてのぞうごの会です。今回は、人が余り集まらず中止かなと思っていたのですが、直前になって5人集まれる事になりました。

 

 ただ、いつもご厄介になっている焼酎バーおかめのママさんが風邪。以前使っていた、古北の水の城という場所で臨時開催です。(ママさんは、もう元気になられています^^)

 

 テーマ:自分を見つめ直す ・・・ 柴田

 

 セルフラボってご存知ですか?それこそ、「自分を見つめ直す」に丁度いいツールです。自分の過去を若い頃から現在まで、それこそ思い出せる限り紙に書き尽くすという方法です。通常は、丸一日ないし数日かけて行う作業です。今回はダイジェスト版と言うことで、柴田さん指導のもと3時間で行いました。

 

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 まず用意する物は、紙と色ペン。紙は大きい方が良いのですが、A4サイズでも十分です。写真(左)の様な先を引きます。各線は次の意味を持ちます。

 縦線:感情

  ・縦線との交点がゼロ。

  ・上(+)、下(ー)

 横線:時間(年齢)

  ・縦線との交点が0歳。

 

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 通常は、ゼロ歳からの記憶を追いかけます。今回は時間がないので、6歳から16歳の10年のみ。発生したイベントを感情とともに書き込んでいきます。例えば、徒競走で1番になった!

 

 写真(右)の様な感じです。

 

 

 この行為を思い出す全てのイベントで行っていきます。すると数珠つなぎの波線が出来上がります。これをやると結構思い出せるんですよね。感情度合いを表せるので、ただ箇条書きにしていくよりも、その時の光景までも思い浮かんだりします。因に私の隣の人は、「おお、アレも有るな」「コレも有るな」「コレ終わるか〜」など、かなりエキサイティングしていました^^

 

 作成後は、出席者皆さんで、自分の生い立ちを紹介し合いました。もちろん、出来る範囲で。その内容は、こちらでは残念ながらシェア出来ませんが、結構楽しいセッションでした。

 

 

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 ちなみに、私は写真(右)の様な感じです。少しは参考になりますか!?(ちょと小さいかな?)

 

 では、次回のぞうごの会で!

 

 

 

 

 

 

 

起業を考える(ぞうごの会37)

 『起業を考える』が12月25日のお題です。

 

 これに飛びついてくれたのが、久能さん。自分の半生と合わせて語ってくれました。もう一名は、僭越ながら私です。12月に独立を決め、その際に作った起業についてのアウトラインを話させて頂きました。

 

 「半生と起業」          ・・・ 久能

 「起業についてのマインドマップ」 ・・・ 佐藤

  

  出席者:6名 

 

 では、ダイジェストです ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 

 

 どうして、今更ながら『起業を考える』なのでしょう?本屋へ行けば、2種類の本がならびます。一つが、何があっても会社に齧り付くことを薦める本。もう一つが、不安定な会社にいるよりも起業を薦める本。いずれにも間違なく、当っていると言えます。いずれを選ぶかは、読む人自身、そして環境、会社、家族、その他諸々の理由で、何れに舵を切るかが決まって来ます。非常に悩む問いです。では、なぜ今回のテーマは起業か?まずは、

 

 「自分の半生と起業」        ・・・ 久能

 

 大学の専攻が中国語。今では選択肢の一つと言えますが、久能さんが入学する時は?だったそうです。先見があるかないかは分からないままの選択。大学時代は、アルバイトに明け暮れ、逆に世の中を知ったそうです。メルマガ発行で多くない収益と、仲間と企画した自費出版本の販売の苦戦から、営業が必要だと気付かされたと言います。

 

 「敢えてやる!」がポリシーと久能さん。

 

 敢えて選んだ中国語、社会人になるときは、超が付くほどの体育会系営業会社に入社。何件回ってなんぼ、受注が何件の確立の世界。全てコンピュータとデータで管理される営業。当時の業界慣習からは非常識な営業手法。そのパワハラ上等の環境下で、その理屈が腹に落ちたのか、上司にも気に入られ出世街道を歩み始めます。

 

 そんな頃に頭に浮かんだのが、生きて行く道。

 

 私もそうですが、バブル崩壊後の世代は、常に先々に不安に思い歩いています。選択肢としては「スーパーサラリーマン」、或は「自ら稼げる何者か」しか有りません。ここは、本当に同感でした。(とは言え、私と比べると、久能さんの方が、圧倒的に判断が早く、行動力があるのですが^ ^; )

 

 現在は、上海でネット販売のビジネスを運営している久能さん。起業までには、七転八倒、起業してからも七転八倒だったそうです。具体的なお話も聞けましたが、非常に長くなるので、ココでははしょらせて頂きます。ただ、久能さんが、やられていたことを挙げると、よい中国人パートナーを見つけること。それから、本を読み実践することがありました。

 

 以下、久能さんオススメの書籍です^ ^

 

 『危険!!!ビジネスの一番危ない数字は一』 ダン・ケネディー著

  『60分間企業ダントツ化プロジェクト』 神田昌典

 『ハイパワーマーケティング』 ジェイ・エイブラハム著

 

 

さて次は、

 

 「起業についてのマインドマップ」  ・・・ 佐藤

 

 私の場合は、今年の12月に独立を選びました。就職当時から、その頭はあったと思いますが、大きく影響を貰ったのは就職した会社です。その会社から中国に出向したのですが、そこで見たものは以下の状況でした。(独立でに12年かかってます^^; )

・  中国に来る ⇒   会社のメインストリームではない。

          日本に戻る席がない。

・  50歳以上 ⇒   会社から外される現実。

          中国工場には、他社の早期退職者(50歳以上)が多くいた。

          そりが合わないと即クビ。

・  日本主体 ⇒    中国人材に栄転の可能性は低い。

          現地採用化の促進。

 

 この他にも中国・台湾・韓国系に台頭で、日系中小企業の経営難が増えていたということもあります。実際に私の努めていた会社も、今はありません。

 

 独立理由は単純に「自分の食いぶちは自分で稼がねば」の精神です。

 

 決めるまでには、時間がかかりましたが、それはそれで良いとも思っています。マインドマップには、そんな理由が列挙されました。例えば、日系企業で仕事の仕方、態度を叩き込まれた事(良く干されました)。昔の日本人に感謝の気持ちを感じる事が出来た事(海外にいると頻繁に思います)。経営者を含む色々な方々に巡り会い勉強出来た事。本やセミナーに出る時間があった事(久能さんと同じ本を結構読んでました)。

 

 

 さて、ダイジェストは以上です。

 面白かったのは、久能さんにしても私にしても、同じ様な考え方の経路を歩んでいた事でしょうか。何が正しいはないと思いますが、傾向はあるのではとも思うようになりました。色々な傾斜の起業談話をお聞きしたいですね。

 

 そんな機会も作って行ければと思います。 

 

 では、今後とも宜しくお願い致します。 

 

 

忘年会(ぞうごの会36)

 12月8日は、第一回目の忘年会!2012年の締めくくりは、マグロの竹若でした。ぞうごの会としては、3回目の忘年会になりますね。第一回目が、2009年12月12日。まるっと3年、良く続いたと思います。頑張った!
 面子も少しづつ変わり、増え、会としては充実して来たように思います。12年は、女性が増え、学生さんにも参加して頂きました。色々な方がいると言うのは、楽しいもんですね。
 近頃は、勉強会も板につき、内容も濃くなって来たように思います。その又昔は、ハンバーグで棒倒ししていたんですよね。ああ、懐かしい。飲みながらの勉強会が、少しづつ形を整え、今年は勉強会と懇親会から独立し、来年はどうなるか楽しみです。新しい方の参加もお待ちしております!

 今回の忘年会、残念ながら花なく男ばかりでした。それでも、今年の反省、来年の豊富を語り合い、楽しい時間を過ごす事が出来ました。2012年有り難う御座いました。

2013年は、更なる発展の歳にしましょう。


忘年会場所情報

店名:マグロ竹若
場所:水城路 洛城広場3F
費用:250元(オーダーバイキング)
参考:http://r.gnavi.co.jp/shanghai/jp/cs08341/ぐるなびアジア)
意見:料理もおいしく、店内もきれいで、さすが人気店と感じました。
   反面、注文の遅れがあったり、騒がしかったりではありました。

さて、今年もぞうごの会は後一回。
日 時:12月15日(土)
場 所:“おかめ”
テーマ:起業を考える

では、宜しくお願い致します。

留学生の動機と目的、マインドマップ、今後10年中国でどう生きる(ぞうごの会35)

 華東師範大卒のメンバーが、こんなことを言っていました。「社会人になったら大学にいる時より勉強するはめになってしまった。こんなはずじゃなかったのに、、、(笑。」確かにそうですよね。学生の頃なら課題があり、こなせば良かった。社会人の勉強は、答えのない迷路に入って行く様なものです。学べども、学べども、我が頭よくならず、ぢっと天を見る(笑。はてさて、そんな思いまでして、なぜ勉強するのでしょうかね?


 そんな事を考えていたら、少しづつ仲間が増えてきました。メンバーに学生さんが入っています。彼女は、今回が3回目のぞうごの会。発表は初めてです。では、頑張って行きましょう。
 

今回のテーマ
「上海にいる日本人同世代の動機と目的」・・・ 田端
マインドマップ」          ・・・ 佐藤
「今後10年中国でどう生きる」     ・・・ 柴田






テーマ:『上海にいる日本人同世代の動機と目的』   ・・・ 田端

 田端さん友人5人の実例を紹介頂きました。田端さんがおっしゃったとおり、上海に10万人いる日本人の中の、5人ですから試料数としては少ないと思います。しかし、アンケートなどで取ったデータではなく、直接知っている人の話と言うのは信憑性があります。そこから、面白いことが見えてきました。


 この友人達は、バックグラウンドで2つに分けることが出来ました。一つは、北京オリンピックや上海万博に代表される中国の発展が留学の大きな理由になっっているグループ。もう一つは、血縁に中国人がいるグループ。この二つのグループは、今後の身の振り方に置いて差が現れます。前者は、日本へ帰国する確立が高い状況という事。後者は、日本或は中国いずれでも構わないと言う事。当たり前と思われるかもしれませんが、留学生が突きつけられる現実なんですね。

 
 私も経験者ですが、海外で働くというのは、かなり大きな勝負です。家族が既にいるなどバックグラウンドを持っていると、大分異なりますが、異国の地で仕事となると生活、保険、ソースなどが国内と比べて圧倒的に厳しくなります。先の華東師範大卒のメンバーは15年以上前です。中国語を話せる人材、そもそも中国生活を知る人材として、重宝され記帳価値がありました。しかし、今は大分状況が異なります。言い換えれば、ライバルが多いと言う事です。

 例えば、、、
 
 - 日本で中国語を勉強した社会人
 - 日本で中国語を勉強した学生
 - 中国の大学卒業の日本人
 - 中国の大学卒業の日本人(中国バックグラウンド有り)
 - 中国で就業経験がある人(10年選手も多くいます。)


 他にもライバルなら、いくらでも出てくるでしょう。

 この辺りは、実は既に社会人になっている人も変わらないと言えると思います。中国へ働きにくる人は、こんごも継続して増えていくと思います。大切なのは、自分ならでは優位性を見つけ育てて行く事。それから、周囲を見ながら自分の足場を固めて行く事も大切ですね。



テーマ:「マインドマップについて」    ・・・ 佐藤

 今回の更新にアップした写真が、マインドマップです。それ自体の説明は、他のウェブサイトを参考にして下さい。ちょっといい加減ですみません。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/マインドマップ
 http://mindmap.jp/000093.html
 http://matome.naver.jp/odai/2129517245843627301
 http://lifehacking.jp/2009/05/three-mindmap-misconceptions/


 

 

 個人的には、マインドマップを発明されたトニー・ブザン氏が書かれた"頭の良くなる本“がオススメです。強いて言うと必読書だと思います。
 










テーマ:「今後10年中国でどう生きる」   ・・・ 柴田

 このテーマは、ぞうごの会のメインテーマの一つです。既に柴田さんも、何度もトピックとしてあげてくれています。そもそもの問題提起は、中国の5カ年計画に発します。日本国内にいると、政治を余り身近に感じる事はありません。仕事上でも、大きく影響があったと言う事は多くはないのではないでしょうか?しかし、中国で仕事をし生活をするものにとって、中国の五カ年計画や政策は大きな影響を与えます。

 今回党大会がありました。その際の胡錦濤語録を解説した記事です。(日系ビジネスオンライン)
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20121120/239620/?bv_ru


 中国人の収入上昇をどう見るか?市場の拡大と見るか、人件費の高騰と見るか、立場によって様々でしょう。今回は、余り時間がなく、問題提起を再度するに留まりました。田端さんが提起くれた問題にも深く絡みますね。これからも継続して、深堀して行きたいと思います。


 現状把握という点で以下のサイトがオススメです。

 日本貿易振興機構JETRO
 ・HOME>海外ビジネス情報>国・地域別情報>アジア>中国
  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/
  ☆基礎情報の検索に使っております。

 ・HOME>海外ビジネス情報>国・地域別情報>アジア>中国>調査レポート
  http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/reports/
  ☆対中投資動向の調査時に使用しました

 外務省
 ・トップページ>各国・地域情報>アジア>中華人民共和国
  http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/index.html


 
 では、今回もお疲れさまでした。


PS
・田端さん、柴田さん、勉強会資料の作成有り難う御座いました(^ ^ //

 
 

 

 

第34回 ぞうごの会

 テーマ:「中国での環境ビジネス概要 〜どのように関わって行くのか」
 発表者: 斎藤
 出席者: 6名


 中国で環境ビジネスにどう関わって行くか?このテーマは、前々回の勉強会で、出席者の方から出して頂いたテーマになります。非常に大きなテーマだったのですが、ぞうごの会の主催者でもある斎藤さんが、上手いこと纏めてくれました。はじめに環境ビジネスの定義してくれました。そして、日本人が中国で環境ビジネスを展開する為に必要なことを纏めて頂きました。

 ダイジェストになります。

 環境ビジネス:“環境に良い事”を付加価値とした事業全般をさす。本来は、主に脱石油に関わる事業であるが、定義が曖昧なため少しでも環境に良い部分が存在すれば該当し、環境負荷が少ない事業に限定されない。”(Wikipediaより)


 なぜ“環境ビジネス”が生まれた来たのでしょう?

 この答えは、1970年代まで遡ります。この時代、2つの大きな出来事がありました。一つは、石油ショックによる全石油の不安定供給の危機の発生です。もう一つが、過度の工業化による公害の深刻化です。この二つの要素があった事により、世界的に持続可能な社会への関心が高まって来ました。

 以下2つ行為に価値が発生したことで、環境ビジテスが成り立つようになったという事です。
 1.現在の活動が継続維持出来ること
 2.その為に、過去と比較して改善出来ること


 環境ビジネスを行うのに必要なファクターとは何でしょうか?
 斎藤さんが以下の6つを上げてくれました。
 ・ 環境に良いと思わせる。
 ・ 将来性があると思わせる。
 ・ 社会的な流行であると思わせる。
 ・ 現状との違いを理解させる。
 ・ 要求に応じて数字で表現出来る。
 ・ 過去の実績が存在している。


 同じ質問を出席者の方々したからは、以下の様な意見が出てきました。
 ・導入による社会的イメージアップ、アピールポイントになる。しかし、コストアップ。
 ・コストダウンになる。
 ・地球環境への支援
 ・公害対策(健康に対する訴求)
 ・雇用の創出
 ・どのように利益を出すのか?環境ビジネスと言っても、ビジネスとして成り立つ必要ある。
 ・自己満足、セルフイメージ・意識工場への訴求。
 ・どので何が実際に起きていて、その影響を知らせる。
 ・情報の正確さ(情報を制するものは、経済を制す。)
 ・本当に大きく環境改善を行うには、政府が動く事が必須だったりする。


 ※環境問題を取ります状況は、Wikipediaを確認して頂くと、ざっくりとしたことが分かります。http://ja.wikipedia.org/wiki/環境問題


 中国の環境問題は、非常にシリアスな状況になっています。黒い河、エメラルドグリーンの河などについて見たり、来たりした事はありませんでしょうか。地方には、放射性物質が放置されている場所もあるようです。土壌にしみ込んだ毒物が植物に吸収され、人の口に入る。飲むに適さない飲料用水に頼らなくてはならない2億人もいるそうです。推測ですが、都市圏で見られる身障者というのは、こういった汚染の被害者なのかもしれません。 

 そんな中、ネットで中古品売買が流行っているなど、環境問題への関心は少しづつ高まって来ています。1997年「エネルギー節約法」が制定され、現在も毎年2%づつ環境対策費用が増えています。反面、CO2の排出量については、中国はまだまだ余裕があり、10億ドル売り上げているという事実もあります。

 日本人は何が出来るのでしょうか?残念ながら、大きな貢献は難しいといえます。たとえば、大規模な環境ビジネス(インフラ、産業育成など)は、日系企業には高き門、或は閉ざされた門となってしまっています。実際に入札の資格なしと、多くの案件で日系にNGが出されています。また、中国の国家規格GB、GB/T、GB/Zなどがあり、これらの規格も障壁です。他にも輸出入に許可申請が必要な商材(例えば、建材に対してなど)などがあります。

 そんな環境下で考えられるのは、中国国内で調達生産提供が行えるビジネスである必要があります。

 勉強会では、これをポイントにディスカッションが行われました。
 ・対象を中国政府が注力出来ない地方に限る
 ・民間のユーザーを絞る
 ・建築物で消費されるエネルギーの省力化
  - 中国北部の電機消費量は、2008年で総消費エネルギーの25%の規模になる。
  - 中国北方地区、3700億円
  - 人が多く、生活が豊かになっているので増加。
  - エネルギー効率が非常に悪く30%〜40%程度で大きく改善の余地がある。
  - 提案
    > 手軽なリフォーム
    > 後付け可能な軽量内窓
    > ユニトッ式の床断熱パネル
    > 高機密・高断熱ドア
 ・日本のODAを利用する
  - 現地には無償で、日本政府から頂くODA支援金を受け取るという手段も検討出来ます。
    例)日本のNGOによる、ゴビ砂漠拡散防止の植林などもあります。
 ・中国の政府交換留学生から伝手を探す(地方政府とのつなぎ)・・・実例有り。


 ここまで、色々と話を盛り上げて何ですが、最後にはビジネスの基本の基本へディスカッションは収束してしていきます。例えば、挙げられた内容は以下の通りです。

  「人・物・金」を揃えれば、ビジネスは成功する。
  「発信」する。C to C スタートで、ビジネスを大きくする。
  「今ある問題を解決する事」
  「過去あるビジネスを改善する」


 まず、小さく始めましょう。身の回りから始めましょう。「良い環境が必要とする人」を探し、「環境の改善」を訴求することから始めるのが良いでしょう。

第33回 ぞうごの会 「原田語録207」

テーマ:『原田語録の項207翻訳と解釈』
発表者: 佐藤
出席者: 2名

 原田語録は、工場運営のケーススタディーを集めたものです。工場で日々発生する諸問題に、原田総経理がどのように対応したのかが綴られています。中国人秘書が、自分のメモとして残した為、原本は全て中国語。残念ながら日本人の我々が、読みこなしていくには、大きな時間が必要になります。

 以前から、和文版が欲しいと思っていました。工場運営や管理など、そうそう勉強出来る様な機会がありません。素晴らしい実績を出されている工場長と一緒に仕事が出来れば一番だと思います。しかし、海外では、大抵の場合に孤軍奮闘をよぎなくさせられます。そんな状況にあって、原田総経理の言葉、応対が残った、この原田語録には、非常に大きな魅力がありました。そう言った経緯で、翻訳勉強会を儲けることにしたのです。

 
 「原田語録」「原田総経理」と書いてきましたが、原田総経理のご紹介を忘れていました。これでは、話は先に進みませんね。「原田氏:原田則夫」とは、

 ◯ 工場再生屋として、華南地区で知らない人はいない工場再生屋です。
 ◯ 倒産寸前の工場をわずか2年で黒字化しています。
 ◯ 中国工場に「従業員が育つ仕組み」を作り上げました。
 ◯ 経営手腕は、日系ビジネスにも取り上げられたこともあります。

 もう少し具体的に尻隊からは、下のサイトを参考にして下さい。華南地区で品質コンサルタントをされている林徹彦さんが、自分のサイトで詳細に紹介しています。林さんは、原田式工場経営の自称第一弟子で、21世紀型工場経営を推奨しています。
 ・http://quality-mind.seesaa.net
 ・http://www.chinabusiness-headline.com/2010/08/9882/


 さて、勉強会ダイジェストに移りたいと思います。第一回目である今回は、今後どのように勉強・そして翻訳していくのかを話し合いました。
 
 勉強・翻訳会のポイント
 1.原田式経営についての基礎を勉強する。
 2.原田語録を持ってケーススタディーとし、そこから何が読めるかディスカッションする。
 3.1と2を踏まえた訳文を作成する。

 今回は、訳文のみを準備していましたので、2と3を踏まえて、ダイジェストとして紹介致します。
 ---以下(赤字は、原田語録を読みやすくするために補足になります)。



語録207: 会社財産の合理的手配
指導日時: 2009/09/08 9:30-10:10
指導場所: 研修室
指導対象者:警備員、受付、総務課長、総務係長、総経理秘書、人事部担当者(翻訳)
ポイント: 総務は会社の財産および環境に対しての理解を深め、合理的に配分し、
      無駄を避ける。
指導背景:
 総務課長が董事長室より電話を受ける。会議に使用するため、研修室の机2脚およびイス6脚をODM事務所へ移動する旨を総務課長に要求した。
 総務課長は内部警備員2名にトレーニング室の机およびイスの移動を要求した。
 総経理は現場を確認し、不快に思い、総務に対して指導を行った。

指導内容:
 総務課長は、総経理室の要求に対して、その通りに行っただけだった。本来、その要求に対しての分析および判断を行うべきだった。

 ここで問題にしているのは、総務課長が総務部の役割を理解せず、且つ安易に業務を進めたことにある。

 まず、部下への指示の仕方に問題があった。 

 工場には、会議室か幾つかあった。そして全ての会議室の装備は、全て同じ標準品で備え付けられていた。総務部の受付人員は、毎日会議室の机およびイス等の標準設備に対し点検作業を行っていた。課長がこのように勝手に移動させるという行為を行うことで、部下は自分の仕事意義がないと感じる。

 指示を出すべき相手は、標準装備を管理している、受付人員だったはずだ。部下の仕事を把握していないか、効率を無視して指示を出している可能性があった。

 次に、要求の詳細を確認することを怠った。

 また、なぜ必要な机およびイスは何人の会議で使用されるものなのか聞かなかったのか?聞く必要はないと思っていたのか?董事長室で必要とされる最適な机、イスを提供出来ることを伝え、詳細を確認する必要があったはずだ。
 
 この2点からは、董事長室の要求を鵜呑みに仕事をしたことが分かる。これでは、総務  および総務課長の能力が低いと言わざるを得ない。

 仕事を把握出来ていないことは、その他の状況を見ても分かるようだ。

 工場内には、今回使用された研修室の設備以外に利用でいるものがあった。常駐顧客専用の事務所があった。そこには使用されていない机、イスがあり、現在多く使われていない。更には、それらの資産は、多く、それらは会社内部へ再配置し使用可能だった。例えば、そこにある机、イスは、今回の会議で使用されるために移動させたものより最適なものであった。使われた研修室の机は、狭く、横に長すぎ、美観的に問題があるだけでなく、場所もとるものであった。

 総経理は、以前この事務所の視察を行い、その設備資産を把握していた。
 残念ながら総務課長は、視察に行ってはいなかった。

 工場内の資産状況、部下の仕事内容を把握出来ていなかったことが、今回の問題の原因になった。

 今ある資産を知るには、現場を見るのが一番である。

 総経理は、我々を伴い常駐事務所を視察した。結果、事務所内には、工場内で使用可能な資産が多くあることが分かった。ホワイトボード、ホワイトボード消し、イス、パソコン、小測定室、等々。総務は会社の資産の量を理解することで、合理的に配分することができる。

 これらの設備資産を管理する為の活動を行うのが良い。例えば、人事部は、朝巡回で工員の状態を確認している。総務は会社内の環境および資産を理解する行動をすべきである。これがポイントとなる。

指導感想(まとめ):
総務は会社の環境および財産、事務用品を管理することで、合理的に配分をおこなうことが可能になる。

原田語録207、以上。


 原田総経理、具体的な問題点を指摘し、何に対して問題なのかを説明し、かつ現場に連れて行き次のステップを見せています。絶え間なく、問題の発生する工場で、こういった地道な指導や教育を継続するのは、並大抵ではないと思います。実際問題として、私も出来るかぎり丁寧に応対しようとしましたが、役割説明が出来なかった、現場まで足を運べなかった、など反省点が多々あります。

 そんな事に考えていると、「継続は力なり」とおっしゃった中学時代の先生のことを思い出しました。では、また次回のダイジェストまで。