ぞうごの会

ステップアップを目指す勉強会・懇親会@上海

第34回 ぞうごの会

 テーマ:「中国での環境ビジネス概要 〜どのように関わって行くのか」
 発表者: 斎藤
 出席者: 6名


 中国で環境ビジネスにどう関わって行くか?このテーマは、前々回の勉強会で、出席者の方から出して頂いたテーマになります。非常に大きなテーマだったのですが、ぞうごの会の主催者でもある斎藤さんが、上手いこと纏めてくれました。はじめに環境ビジネスの定義してくれました。そして、日本人が中国で環境ビジネスを展開する為に必要なことを纏めて頂きました。

 ダイジェストになります。

 環境ビジネス:“環境に良い事”を付加価値とした事業全般をさす。本来は、主に脱石油に関わる事業であるが、定義が曖昧なため少しでも環境に良い部分が存在すれば該当し、環境負荷が少ない事業に限定されない。”(Wikipediaより)


 なぜ“環境ビジネス”が生まれた来たのでしょう?

 この答えは、1970年代まで遡ります。この時代、2つの大きな出来事がありました。一つは、石油ショックによる全石油の不安定供給の危機の発生です。もう一つが、過度の工業化による公害の深刻化です。この二つの要素があった事により、世界的に持続可能な社会への関心が高まって来ました。

 以下2つ行為に価値が発生したことで、環境ビジテスが成り立つようになったという事です。
 1.現在の活動が継続維持出来ること
 2.その為に、過去と比較して改善出来ること


 環境ビジネスを行うのに必要なファクターとは何でしょうか?
 斎藤さんが以下の6つを上げてくれました。
 ・ 環境に良いと思わせる。
 ・ 将来性があると思わせる。
 ・ 社会的な流行であると思わせる。
 ・ 現状との違いを理解させる。
 ・ 要求に応じて数字で表現出来る。
 ・ 過去の実績が存在している。


 同じ質問を出席者の方々したからは、以下の様な意見が出てきました。
 ・導入による社会的イメージアップ、アピールポイントになる。しかし、コストアップ。
 ・コストダウンになる。
 ・地球環境への支援
 ・公害対策(健康に対する訴求)
 ・雇用の創出
 ・どのように利益を出すのか?環境ビジネスと言っても、ビジネスとして成り立つ必要ある。
 ・自己満足、セルフイメージ・意識工場への訴求。
 ・どので何が実際に起きていて、その影響を知らせる。
 ・情報の正確さ(情報を制するものは、経済を制す。)
 ・本当に大きく環境改善を行うには、政府が動く事が必須だったりする。


 ※環境問題を取ります状況は、Wikipediaを確認して頂くと、ざっくりとしたことが分かります。http://ja.wikipedia.org/wiki/環境問題


 中国の環境問題は、非常にシリアスな状況になっています。黒い河、エメラルドグリーンの河などについて見たり、来たりした事はありませんでしょうか。地方には、放射性物質が放置されている場所もあるようです。土壌にしみ込んだ毒物が植物に吸収され、人の口に入る。飲むに適さない飲料用水に頼らなくてはならない2億人もいるそうです。推測ですが、都市圏で見られる身障者というのは、こういった汚染の被害者なのかもしれません。 

 そんな中、ネットで中古品売買が流行っているなど、環境問題への関心は少しづつ高まって来ています。1997年「エネルギー節約法」が制定され、現在も毎年2%づつ環境対策費用が増えています。反面、CO2の排出量については、中国はまだまだ余裕があり、10億ドル売り上げているという事実もあります。

 日本人は何が出来るのでしょうか?残念ながら、大きな貢献は難しいといえます。たとえば、大規模な環境ビジネス(インフラ、産業育成など)は、日系企業には高き門、或は閉ざされた門となってしまっています。実際に入札の資格なしと、多くの案件で日系にNGが出されています。また、中国の国家規格GB、GB/T、GB/Zなどがあり、これらの規格も障壁です。他にも輸出入に許可申請が必要な商材(例えば、建材に対してなど)などがあります。

 そんな環境下で考えられるのは、中国国内で調達生産提供が行えるビジネスである必要があります。

 勉強会では、これをポイントにディスカッションが行われました。
 ・対象を中国政府が注力出来ない地方に限る
 ・民間のユーザーを絞る
 ・建築物で消費されるエネルギーの省力化
  - 中国北部の電機消費量は、2008年で総消費エネルギーの25%の規模になる。
  - 中国北方地区、3700億円
  - 人が多く、生活が豊かになっているので増加。
  - エネルギー効率が非常に悪く30%〜40%程度で大きく改善の余地がある。
  - 提案
    > 手軽なリフォーム
    > 後付け可能な軽量内窓
    > ユニトッ式の床断熱パネル
    > 高機密・高断熱ドア
 ・日本のODAを利用する
  - 現地には無償で、日本政府から頂くODA支援金を受け取るという手段も検討出来ます。
    例)日本のNGOによる、ゴビ砂漠拡散防止の植林などもあります。
 ・中国の政府交換留学生から伝手を探す(地方政府とのつなぎ)・・・実例有り。


 ここまで、色々と話を盛り上げて何ですが、最後にはビジネスの基本の基本へディスカッションは収束してしていきます。例えば、挙げられた内容は以下の通りです。

  「人・物・金」を揃えれば、ビジネスは成功する。
  「発信」する。C to C スタートで、ビジネスを大きくする。
  「今ある問題を解決する事」
  「過去あるビジネスを改善する」


 まず、小さく始めましょう。身の回りから始めましょう。「良い環境が必要とする人」を探し、「環境の改善」を訴求することから始めるのが良いでしょう。