ぞうごの会

ステップアップを目指す勉強会・懇親会@上海

第28回ぞうごの会 「勉強会ダイジェスト」

テーマ 「変化する中国でどうリーダーシップを取るか」

 中国暦10年の私にも目から鱗の内容でした。

  今回のテーマは、中国人との付き合い方を、 考え直してみることにありました。 どうしても、イメージが先攻してしまいます。


 固定観念や偏見がどうしてもつきまといます。日本人が集まると、中国人部下の悪口ばかりが聞こえてくるなどと言われてしまいます。しかし、その多くは、中国人と日本人は、大きく異なっているという前提があります。「日本人と違って、、、」の部分が省略され、「中国人は、、、」といった感じでしょうか。


 実は、この固定観念は、思い込みからなるという話をして頂きました。老婆に見えたり、情婦に見えたりするトリック絵って見た事ないでしょうか。こうと思い込んでしまうと、それ以外見えなくなってしまうんですね。


 「例えば、中国人は、”すぐ辞める”と思っていると

  そう言う態度で接してしまう
 
  すると、結果的に辞めることになる。」


なるほどと思わず頷いてしまいました。

こういう事を習ってから、中国に派遣されればと思いました。周囲から聞く話は、いま思い返せば、だいぶ偏りがあったなと思います。それに操られていたかもと、反省する次第です。


 偏見をなくす5つの方法
1.大きい視点、高い視点から見る。
2.実際の話を確認して進める。
3.他の人と共有する。
4.統計事実を見る。
5.メタ認知(相手になったつもりで考える)

  
 もし宜しければ、上の五つの方法を試してみてはどうでしょうか?



さて、

 大城さんの講義は、中国人と日本人は結構似たバックグラウンドを持っている。それから、日本人の方が特殊で、中国人の方がグローバルスタンダードに近いという話に及びます。


 皆さん、
 文化のハイコンテクスト、ローコンテクストって、ご存知でしょうか。初耳の方は、下のサイトをご参照下さい。ある会社のホームページなのですが、とても丁寧に説明されています。
 
 �PCG コラム記事 http://www.pan-nations.co.jp/column_001_005.html

 *比較文化学で使われる単語。


 この観点から見た中国人と日本人は、確かに違いがあるけれど、似ているのです。儒教文化圏とも呼ばれますが、同じバックグラウンドを持つ民族であることは、間違いないようです。


 では、だれと比べたらでしょうか。

 
 欧米人などと比べたら、比較にならないくらいの類似点がありました。


 しかし疑問が湧きます。よく、欧米系企業の方が、中国で成功している。なぜ日系は、中国で失敗するのか?雑誌や書籍にも似た様な内容を見かけませんでしょうか。


 会社としても、そうですが、個人的には「なぜこんなにコミュニケーション」が難しいのかと言った疑問もありました。


 なぜなんでしょう?


 今回の勉強会で、回答をひとつ頂けました。
 

 歴史を見れば良かったんですね。


 中国と日本、この二つの国は、長い歴史の中で、まったく異なった時間を歩んで来ました。当たり前と言われてしまうかもしれません。勉強不足だと言われるかもしれません。(実際その通りなのですが、、、。)

 

 キーワードは、「歴史の成功体験」です。
 
 
 この二つの国は、この成功体験で、まったく正反対の歴史を経験しているのです。

 
 日本は、過去非常に保守的な時代を過ごしました。言われるまでもなく、江戸時代です。この時代は、身分制度を敷き、鎖国をして、基本的に人物金の動きが、極端に制限されました。しかし、非常にゆっくりとした流れで、江戸時代は発展し、250年もの非常に長い安定した成長を成功させました。


 反対に中国はどうでしょうか?


 中国は、約1000年ほど前の“宋”という時代に、大きく発展しました。西洋の三大発明と呼ばれる、活版印刷、火薬、羅針盤は、この時代の中国で発明されました。経済は非常に栄え、

 1.生産力の大幅な向上と地域的偏差、および商品経済の確立
 2.各地方における市場の成熟と市場間の流通の活発化
 3.それによる全国的な市場形成と市場における分業化 (Wikipedia 参照)

が、なりました。


 そのときに、中国が取った政策と言うのが、権力の一点集中と経済の完全な自由化だったそうです。


 中国は、1000年以上前に自由化経済を成功させ、経済発展を成功させました。その時代は現代ほど、世界は広くなっていませんので、言って見れば中国版のグローバリゼーションですよね。


 どちらの国が、現在の世界スタンダードに近いでしょうか?


 これは、決して中国が良くて、日本が悪いという事ではありません。そう言った見方もあると言う事です。


 見方の問題なんですね。


 付け加えると、日本の成功体験である、江戸時代は非常に特殊なものだったようです。なにしろ、鎖国していますし、国内でも色々なものが制限されています。


 例えば、「空気を読む」文化も、一カ所に縛られているという生活環境の中で、集積して生まれたようなところがあるそうです。


 長い閉鎖された空間は、日本独特の文化や習わしなどを醸成していったんでしょうね。それも、成功体験として。


 世界から見た場合、これは特殊性にあたります。

 中国を含めた世界は、色々な地域と交易し、戦争し、結果としてローマ、モンゴル、ペルシャなどの世界帝国が成り、言って見れば元々がグローバル社会だった訳です。
 なるほど、


 中国が特殊なのではなく、


 日本がたいそう特殊だったと言う訳です。


 いや〜、勉強になりました。


 約3時間の勉強会で、目から鱗が落ち続けました。


 大城さん、

 
 有り難う御座いました。


 ※注: 以下のコメント欄は、勉強会後に出席者に書いて頂いたものになります。
    「本日の最大の学びはなんですか?」という質問をさせて頂きました。