ぞうごの会

ステップアップを目指す勉強会・懇親会@上海

「孫子の兵法」 ぞうごの会49

テーマ2:「孫子の兵法」

 

講師  :久能さん

 

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 ぞうごの会49のダイジェストになります。

 

 ご入用の方には、当日の資料をご提供させて頂きます。

 メールにてご連絡下さい。

 

 連絡先:mmbs@zaowu.biz

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 色々なビジネス書、自己啓発本などを読んでいると出てくるのが「教養」と言う単語。特に海外で仕事をする上で、一個人としての質の高さが大切だとされます。その国の事を学ぶ事、そして自国も学ぶ事。その為には、古典を読むのが良いのだそうです。日本であれば「文学」、中国であれば「思想書」となります。

 

 今回は、中国古典の一つである「孫子の兵法」についてを久能さんが纏めてくれました。

 

 

 「孫子の兵法」は、中国の春秋時代の孫武の作とされています。呉の軍師で有った孫武が彼の引退後に、戦の勝ち負けを分析し纏めたものだそうです。ただ、孫武が実在する人物かどうかはハッキリしないそうです。紀元前500年前後のことですしね。

 

 この頃の中国は、春秋戦国時代(紀元前770年-紀元前221年)に辺り、戦乱に明け暮れた時代でした。どうやったら戦争に勝てるか?どうやったら国を治めるか?を考える思想家が多く現れました。諸子百家と呼ばれます。現代にまで伝わる殆どの思想は、この時代に生まれたのです。紀元前ですよ?

 

 因に兵法としては、「孫子の兵法」が一番有名で、これが作られる以前は、戦の勝ち負けは天の運によるものが大きいと考えられていたのです。但し、現代の形に編纂されたのは、大分後になってからで三国時代(180年頃-280年)の事です。三国志で有名な、曹操の編纂に寄る物だそうです。策謀の曹操らしい逸話ですね。

 

 

 時代も古く、兵法と言う仰々しい書物ではありますが、実は日本人には結構なじみ深い物です。例えば「彼を知り己を知れば百戦危うからず、、、」や「早きこと風のごとく、、、」で始まる言葉も孫子の兵法にあります。

 

 非常に多くの歴史上の人物が目を通しています。

 

 吉備真備、

 武田信玄(風林火山、、、)

 東郷平八郎(バルチック艦隊を破ったT字戦法、、、)

 徳川家康、

 源義家。

 

 ナポレオンもその一人に挙げられ、当時既にフランス語訳があったと言われています。

 

 

 天の邪鬼な私は、孫子の兵法を読んでたけど負けてしまった人の名前と原因も知りたいなと思いましたが、それは流石にむりなのでしょう。なにしろ負けてしまえば、歴史に名は残りにくいですからね。

 

 

 

 さて、そろそろ内容に入っていきます。

 

 「孫子の兵法」、戦争をすることに主眼を於いていないのが、大きな特徴です。「不戦」がキーワードで、戦わない事を最も評価しています。戦争が起これば、国の人や財産に被害が発生します。それを良しとしません。ですから、戦争を起こすまでもなく、政治的にも心理的にも「勝った」状態を作り出す事に主眼が於かれている訳です。

 

 

 最悪な事態は、戦争を始めてから「勝つ方法を模索する」ことだそうです。

 

 なんだか起業にも似ていますね。会社を興してから、儲かる方法を探す。そんな経営者が多くはないでしょうか。勿論、儲かる商売を探していて、いつまでも起業出来ないというのも違う様な気がします。そこはバランスが重要なのでしょう。ビジネスにも「孫子の兵法」は、役立ちそうですね。

 

 

 講師をして頂いた久能さんが、「孫子の兵法」をビジネスで使う際のアドバイスを纏めてくれました。何しろ「孫子の兵法」は、戦国時代の書物です。敵に勝つ為の方法を説いているわけです。そこで、「何か忘れていませんか?」と。

 

 戦争を題材にした戦略は、自国と敵国の戦いに勝つかを主題にします。現代のビジネスとは違います。「顧客」は的ではありません。現代ビジネスは、生きるか死ぬかの戦国時代の側面もありますが、「いかに顧客に選ばれるか」に主眼がおかれなければいけない。ここで、いかに敵を負かすかを考えていると、痛い目を見るでしょうとの事。

 

 確かに。

 

 

 大前研一の言葉を例に説明をしてくれました。

 

  3Cと言うフレームワーク  ・Customer

               ・Competitor

               ・Company

 

 「顧客を置いてきぼりにしてはいけない。」("企業参謀" 講談社文庫)

 

 

 確かに実感ですね。

 

 

 久能さん曰く、ヒーローになってはいけない。絶対に不可能な状況を覆して、勝利を得た人物はヒーローになれる。けれど、そもそも「その状況に自分を追い込んだ」時点で、既にその人は負けてしまっている。無駄に頑張ってはイケナイってことですね。ビジネスであれば、「真っ正面から戦わずに、戦わなくても勝てる分野を探し、素早く行動に移し儲ける」と言う事です。

 

 

 本当、勉強になりました!